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ネパール・世界遺産「カトマンズ」の話題

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世界遺産「カトマンズ」の魅力と歴史。ヒマラヤに抱かれし栄光の都

世界遺産・カトマンズの歴史(1)

カトマンズとはどんなところ?

ネパールでは、2017年の時点で2つの文化遺産が登録されています。
ひとつは仏教の開祖・お釈迦様が生まれたとされるルンビニという小さな村(仏陀の生誕地ルンビニ)、もうひとつが首都カトマンズのある盆地一帯を示す「カトマンズの渓谷」です。
この一帯は標高1300m以上という高地にも関わらず、古くからヒンドゥー教や仏教など様々な宗教文化が行き交い栄えた土地。
数多くの歴史的建造物が建ち並び、独特の景観を作り出しています。

首都カトマンズの場所は、ネパールのだいたい中央部分。
ネパール最大の都市で人口はおよそ100万人。
ネパールの人口はおよそ2,600万人で、そのうち170万人ほどが首都カトマンズとその周辺の盆地に暮らしており、残りの人口のほとんどが山村で生活をしているのだとか。
カトマンズ盆地は山岳国ネパールにおいて大変貴重な”平らな土地”なのです。

北側にはヒマラヤ山脈が控え、登山の玄関口としての賑わいも見せるカトマンズ。
盆地一帯には仏教とヒンドゥー教の融合によって生まれた900もの華麗な建築物が見られ、歴史的建造物巡りとヒマラヤの絶景スポットを堪能できる観光地として大変人気があるのです。

古くは旧石器時代から!?歴史ある街カトマンズ

カトマンズ盆地には旧石器時代から人が住んでいたと考えられており、2万年以上前のものと思われる道具や生活の痕跡がいくつも見つかっています。
この盆地は、およそ8000年ほど前まで大きな湖であったとも言われており、数々の神話や伝承が生まれた土地でもありました。

周囲の山から川が流れ込むため水は豊富。
標高が高い土地でありながら盆地内には耕作に適した肥沃な土地が多く、古くから町として栄えていただけでなく北と南、チベット地方とインドを結ぶ交通の要衝にも。
紀元前7世紀頃には既に統治国家が誕生したと考えられているのだそうです。

紀元前6~5世紀頃になるとお釈迦様が北インド方面で教えを広めます。
お釈迦様が亡くなった後はお弟子さんたちがその教えを広め、仏教は中国や東南アジアなど各方面へ広がっていきました。
もちろん、インドとチベット方面とを結ぶカトマンズ盆地にも古くから仏教文化が根付くことになります。

インドとチベットに挟まれた地形を持つネパール。
その中央にあって町を形成しやすい地形を持つカトマンズ盆地は、古くから仏教やヒンドゥー教の布教の拠点となり、また、交易などの目的で多種多様な民族の行き来があったと考えられています。

多くの王朝によって築かれたカトマンズの歴史と文化

古くから栄えていたとされるカトマンズ盆地。
文字で残された記録が少なく不明な点も多いようですが、古くから王朝があったと考えられています。
宗教や文化芸術、交易だけでなく、政治の中心地でもあったのです。

紀元前7~8世紀頃にはチベット系の民族による王朝が続き、先住民としてネワール族と呼ばれる民族が長く暮らしていたと考えられています。
西暦300年頃になると北インドからリッチャビ族がやってきて王朝を設立。
7世紀頃にはリッチャビ王朝からタクリ王朝に代わり、この時の王女がチベット王に嫁いでチベットとの友好関係を結びます。
この政略結婚にはチベットへ仏教文化を広める目的もあったようで、この頃から、カトマンズ盆地にもたくさんの寺院が建てられました。
文化的にも経済的にも、カトマンズはチベットとの交流の中心地として繁栄していきます。

12世紀頃になると、マッラ王朝という王朝が力を持ち始め、台頭。
数多くの寺院や豪華な宮殿が建てられ、都市としての基盤が確立していきます。
15世紀初頭に即位したヤクシャ・マッラという王様の時代になると、国内外共に勢力を伸ばし、王朝は最盛期を迎えますが、王の死後、王朝は3つに分裂(バクタプル、パタン、カトマンズ)。
以後、3つの王朝は互いに勢力争いを繰り広げ、結果的にはその争いが、後世に残る建築や芸術文化の発展につながったとも考えられています。

世界遺産・カトマンズの歴史(2)

ネパール王国からネパール連邦民主共和国へ

この3つの王朝以外にも、周辺には他にも46もの独立王国や地方公国が存在していました。
そのうちのひとつがシャハ家が統治するゴルカ王朝。
カトマンズ盆地が3王朝時代に突入した当時は、ゴルカはまだそれほど力を持ってはおらず、小王国の部類と見られていました。

しかし18世紀に入って王位についたプリトビ・ナラヤン・シャハは相当な野心家。
カトマンズ盆地で勢力争いを続ける3王朝を次々に倒し、その他の独立王国も束ね、1769年にネパール統一を果たします。
シャハ王はゴルカからカトマンズに遷都し、ネパール王国を創立。
以後、2008年に王政を廃止し民主政治が始まるまで、ネパールはシャハ王朝によって統治されていきます。

近代に入ると、チベットとの貿易をめぐって中国(清国)に攻め込まれたり、イギリス東インド会社との争いでイギリスの保護下に入るなど、首都カトマンズ周辺はたびたび政治の荒波に翻弄され続けましたが、それでも王室は変わらず存続し続けました。

20世紀中頃にイギリスから独立して再び実権を取り戻した王室でしたが、ネパールにも民主化を望む声が高まり、議会や内閣が誕生します。
王室と議会は長い間対立を続けてきましたが、2008年5月28日、ネパール王国は終わりを告げ、ネパール連邦民主共和国が誕生したのです。

世界文化遺産としてのカトマンズ

カトマンズ盆地が世界遺産に認定されたのは1979年。
英名では「Kathmandu Valley」と呼ばれ、盆地一帯に残る寺院などの建造物が含まれています。
ネパール政府は当初、周囲を取り囲むヒマラヤの山々を始めとする自然や地形を含めた”複合遺産”としての登録を目指していたようですが、最終的には文化遺産としての登録ということになりました。
世界遺産としてはマッラ王朝時代に建てられた寺院や宮殿が見どころ、ということになります。

カトマンズ盆地の中心部は、3王朝時代のそれぞれの王都の名前を引き継いだバクタプル、パタン、カトマンズの各市によって構成されており、世界遺産に認定された史跡も各市に点在。
マッラ王朝時代に分裂した3国がそれぞれ凌ぎを削り、競い合うようにして建てた寺院や宮殿が今も数多く残されています。
仏教とヒンドゥー教が見事に融合した建築様式は、他のどの地域とも異なる独特の様式美を備えた唯一無二のものとして高く評価され、世界遺産の登録へとつながっていきました。

しかし一方で、カトマンズ盆地は地元の住人たちにとっても貴重な”平地”です。
人口が増え、都市開発が進み、貴重な建造物や景観が失われると危惧され、カトマンズは2003年から2007年まで、危機遺産リストに指定されてしまっていました。

過去から現在、未来へ。
自然や文化を後世に残すのは容易なことではありません。
危機遺産リストから外れたカトマンズの史跡に、今度は自然の驚異が迫ります。
2015年のネパール地震です。
歴史的な建造物の多くが崩れ、再建どころか、国民の生活の改善もままならないという状況が続いています。
王政から共和制に移行し、新しい政治体制がこの惨事に対応しきれていないのでは、との見方も。
2017年に入ってから、少しずつ復興計画が進められ始めたとのことですが、まだまだ課題は山積みのようです

世界遺産カトマンズの見どころ

マッラ王朝時代の中心地「ダルバール広場」

”ダルバール”とはネパールの言葉で「王宮」とか「宮廷」といった意味になるそうで、「ダルバール広場」を直訳すると”王宮広場”ということになります。
かつて王宮があった場所、ということなので、「旧王宮広場」と呼ぶべきかもしれません。

ダルバール広場はカトマンズ、バクタプル、パタンそれぞれにあり、3王朝時代に都や王宮が別々であったことを改めて知ることができます。
3箇所とも、敷地の中に赤レンガと木でできた建物が主流。
宝形造というのか、平たい四角錐状の大きな屋根が印象的な建物や、ヒンドゥー教らしき装飾を施した石造りの寺院などが通り沿いに所狭しと連なっています。
3箇所とも、同時代に競い合うようにして建てられた建物らしく似て非なる形状。
それぞれかなり離れているので徒歩で移動することは難しいですが、可能であれば見比べて歩きたいところです。

一方で3箇所とも、震源から100km弱と近かったことや、レンガや木造の建物がほとんどであったところから、その多くが地震の被害に。
レンガは崩れ、跡形もなくなってしまった建物も多いようです。
地震の直後は復旧もままならない状況が続いたそうですが、後々作業が進み、少しずつ、以前の景観を取り戻しつつあります。

見どころ満載のダルバール広場ですが、特にチェックしたいのがカトマンズのダルバール広場にあるカ-ラ・バイラヴ。
ヒンドゥー教の神様シヴァ神の化身の像で、大きな目を見開き、人々を恐れさせる様相をしていますがどこかユーモラス。
すぐ近くに仏教寺院らしき建築物が並んでいる様子も見応えがあります。

古い伝承が残る「スワヤンブナート」

カトマンズの中心部から3kmほど離れた小高い丘の上、400段もの石段を上がった先に建つ、金色に輝く印象的な建物。
ダルバール広場の建造物とはひと味違った景観を見ることが出来る場所で、やはり世界遺産の一部として登録されています。

スワヤンブナートは、太古の昔より、カトマンズ盆地がまだ湖だったころからここに建っているという伝承を持つ、ネパール最古の仏教寺院。
伝承によればその頃この丘は島であり、そこにやってきた仏教の神様である文殊菩薩が剣で山を切り開いたところ水が流れ出して盆地が現れた、とか。
同じ伝承がヒンドゥー教ではヴィシュヌ神として伝わっているのだそうで、こうした伝承が残るのも、2つの宗教が交差したカトマンズならではと言えるでしょう。

中央の仏塔は一目見たら忘れられないほどインパクト大。
四方に森羅万象を見通す力を持つという仏陀の知恵の目(ブッダアイ)が描かれていて、じっとカトマンズの街を見守っています。
塔のてっぺんからタルチョと呼ばれる5色の旗が伸びて、青い空に映えてはためいている様子は、まさにカトマンズの象徴的な光景。
眼下に目を向ければカトマンズの市街地に建つ色とりどりの建物が見えて、その向こうには雲と山々。
カトマンズが盆地であることを再認識できる場所でもあるのです。

寺院では猿も信仰の対象となっているそうで、別名「モンキー・テンプル」と呼ばれるほどたくさんの猿がのんびり。
通行人の荷物を奪おうとするなど悪さをすることもあるようですが、愛らしい姿は観光客にも人気があります。

ネパール最大のストゥーパ(仏塔)がある「ボダナート」

カトマンズの中心部から東へ7kmほど行ったところに、多くの観光客が集まるスポット「ボダナート」があります。
チベット仏教の聖地・中心地と言われている寺院。
観光客も多い場所ですが、仏教を学ぶ多くの僧侶たちの姿も数多く見られます。

建物は白くて丸いドーム型。
その上に、金色に輝く仏塔が聳え、てっぺんから四方八方に色鮮やかなタルチョが張られて青空にはためいて、エキゾチックな雰囲気を醸し出しています。
仏塔の高さは36mにもなりネパール最大。
創建時期は5世紀頃と言われていますが、確証はないのだとか。
中にはお釈迦さまの骨(仏舎利)が埋められているのだそうです。

ボダナート寺院の周囲には、建物のまわりをぐるりと取り囲むように店が建ち並び、いつも賑やか。
建物の外壁は色とりどりで、行き交う人々の服装も原色や蛍光色を織り交ぜた色鮮やかなものが多くて、見てまわるだけでも楽しい気分にさせてくれます。

古くからチベット仏教の巡礼地として栄えたボダナート寺院。
2015年の地震で倒壊こそ免れましたが、仏塔に亀裂が生じるなどの被害が出ました。
仏塔の修復にはしばらく時を必要としましたが、修復後には再びタルチョが掲げられ、賑わいを取り戻しつつあるようです。

世界最高峰の山々に囲まれた色鮮やかな世界遺産・カトマンズ

ネパール地震の爪痕が未だ残るカトマンズ。
倒壊した歴史遺産を見ると心が痛みますが、街を行く人々は笑顔を絶やさず、みんな明るくアグレッシブでエネルギッシュ。
復旧も、少しずつではあるようですが、進んでいます。
修復のための足場が組まれ、一度は取り外されたタルチョが、再び街中を彩り始めて、世界遺産としての活気を取り戻しつつあるカトマンズ。
一日も早い復興を祈りたいと思います。

(引用:wondertrip)



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